サラリーマンの方や、現在職についていない方が、独立の方法の一つとして考えるのが、「フランチャイズ」だと思います。
TVやメディアなどで、「フランチャイズは大変」あるいは数年前ニュースになった「セブンイレブンの廃棄ロス」訴訟の問題をみて、どちらかと言うとネガティブな印象が多いのではないでしょうか?
そして重要な事は「実際にフランチャイズは成功し、儲かるのでしょうか?」
この問いに関して言えば、以下の3つのポイントを押さえれば、成功する確率は高くなります。
①自分が好きなものを商売にする事
②フランチャイズのデメリットが最小限なフランチャイズに加盟する事
③一定以上の需要が今後も見込める事
本日は、コンサルタントの筆者がプロのポイントを説明いたします。
フランチャイズの成功率は何パーセント?
まず、フランチャイズの成功率とはどれくらいだと思うでしょうか?成功の定義はいろいろありますが、どこの企業でも共通することは「生き残る事」です。では5年後の生存率をゴールした場合の成功率は、70%です。
世間で苦しいといわれているわりには結構高いと感じませんでしたか?
実はフランチャイズという方式は独立する時にもっとも失敗するリスクの少ない方法なのです。その根拠は独立してから5年後の会社の生存率からわかります。
通常の会社の場合の5年後の生存率:15%
フランチャイズの5年後の生存率 :70%
引用本:加盟しますか?そのフランチャイズ 著者:加納聖士
つまり通常の起業して会社を起こすよりも、フランチャイズでの起業の方が4.7倍も生存率が高いのです。
ですから、なるべくリスクを背負わずにビジネスをしたい人は、フランチャイズの方が向いているのです。
フランチャイズのメリット・デメリット
まずは、フランチャイズの「メリット」と「デメリット」をご紹介いたします。
メリット1:失敗するリスクを減らせる
自分で一から企画を立てて、事業をたてるわけではありません。すでに成功しているビジネスモデルに乗っかるので、失敗するリスクが減ります。またフランチャイズが用意するビジネス・パッケージと呼ばれるものを使うので、余計な事を考えずに店舗運営に専念できます。
メリット2:知識がなくても出来る
そのビジネスへの知識がなくても、ノウハウを全て提供してくれますから、ビジネスが可能です。起業に必要なものが全てパッケージとして用意されます。
メリット3:ブランド力があるため集客が必要ない
独立した起業の一番の悩みは集客ですが、すでに知名度の高い看板を利用するわけですから、集客に自ら力を入れる必要がありません。
例えば知らない飲食店でしたら、その店に入るには「この店おいしいのかな?」など心的ハードルが高いものですが、それが「吉野家」や「COCO壱番」でしたら、ある程度の味や対応が創造できるため、特別な事をしないでもお客様から足を運んでくれます。これがブランド力なのです。
もちろん、フランチャイズには、デメリットも存在します。それは次から説明いたします。
デメリット1:自由な店舗運営ができない
加盟店になれば、商品やサービスメニュー、プロモーションの方法、仕入れ先など、ほとんど自由に運営することができません。ですから「俺流に何事も決めたい」という人は、フランチャイズには向いていないのです。
デメリット2:初期投資額が大きい
フランチャイズには初期投資額が大きく必要です。ビジネスによって200万~1000万円必要です。また、金融機関から借りる事を認めない会社もありますので、開業資金がない人には向いていません。
デメリット3:ロイヤリティー負担が大きい
ブランド力を使ってオープン初日から、集客が見込める半面、ロイヤリティー料金が大きいのもデメリットです。ただしロイヤリティーを払っている以上、本部に支援を要請する権利がありますから、大いに利用すべきです。
どういう方がフランチャイズビジネスに向いているのか?
逆説的ですが、今から紹介する「自分で起業する方が良い方の3つの特徴」に当てはまらない方は、「フランチャイズ」の企業が向いています。
自分で起業する方が良い方の3つの特徴
①特定の業界の知識が豊富
②特定の業界にコネやネットワークを持っている
③得意な特定の業界が、今後も需要が一定数以上ある
上記の3つ全てに当てはまるかたは、フランチャイズよりも、自分で起業した方がよいでしょう。しかし、1つでも当てはまらないのなら、フランチャイズの方がよいです。なぜなら、フランチャイズには、①と②が不要だからです。
そして、③だけは自分の目で加盟するフランチャイズを見定める必要があります。
それでは次に、現在フランチャイズの例で最も成功している「横浜家系ラーメン」のフランチャイズを例にとって説明します。
フランチャイズの成功例「横浜家系ラーメン」
今みなさんの住んでいる街や、勤めている会社の近辺に急激な数で増えているのが、横浜家系ラーメンだ。だいたい最近できた店で「○○家」という店名は、家系ラーメンと思って間違いない。
では家系ラーメンのフランチャイズがこんなに増えている理由は何か?一つずつ説明します。
①癖になるラーメンの味
過去10年、ラーメン業界は「ラーメン次郎」をはじめとして、こってりを超えた「超こってり」が流行している中、横浜家系ラーメンは一定以上の認知度を作ってきました。その秘訣はあの一度食べたら、やめられない味です。
筆者もラーメン好きですが、家系ラーメンはどこで食べても、だいたいクオリティーがかわりません。またラーメン好きでなくとも一週間に一度は通いたくなる味なのです。
もし食べたことがないのなら、一食700円程度だから食べてみてください。最初は「うわっこってりしすぎてる」と思うのですが、不思議と一週間もすれば、また食べたくなる味なのです。
②実は修行がほとんど必要ない!誰でも開業できる
みなさん、ラーメン家というと、厳しい修行に何年も耐えるイメージを持っていると思いますが、実は家系ラーメンのフランチャイズは素人でも作れるのです。
それはなぜか?ラーメンと言えばスープですよね?実はスープは専門の工場でまとめて作って、各フランチャイジーの店舗は毎日工場から冷凍スープを解凍しているだけなのです。
ですから、素人でも横浜家系ラーメンが作れます。
③契約金・加盟金・ロイヤリティーが0円!低資金から開業可能!
先に説明しましたが、フランチャイズの一番のデメリットは、「契約金」や「加盟金」あるいはロイヤリティーなどの負担が大きいことですが、「横浜家系ラーメンのフランチャイズ」は、これらが0円なのです。
ですからフランチャイズのデメリットを最大限に抑えられるフランチャイズなのです。でもここであなたは疑問に思うはずです。
「じゃー横浜家系ラーメンの本部はどこで儲けてるの??」
はい、儲かっています。実は本部は提供する冷凍スープや、具材などをフランチャイズにおろす材料費に利益を乗せることで儲けているのです。まさにWin-Winな関係です。
フランチャイズで成功するための3つのポイント
家系ラーメンを例にとりましたが、筆者はそれを薦めているわけではありません。家系ラーメンには成功するための3つのポイントが全て含まれているだけなのです。それではフランチャイズビジネスを成功させる3つのポイントを解説いたします。
①好きなものをビジネスにする
これは、フランチャイズに限ったことではありませんが、フランチャイズ選びにで一番最初に考えることは「成功できるか?」「儲けれるか?」「安定しているか?」という事を基準に加盟するフランチャイズを選んでしまう人がほとんどなのです。
でも、実はそれは間違っています。加盟するフランチャイズは「好きな事」「好きなもの」を基準にして探すのが一番大切なのです。
フランチャイズを起業した時、うまくいかない事や、やめたくなるなど困難に多く出会います。でもそんな時でもビジネスを乗り切るには「興味のある事」をビジネスにし、仕事を愛することなのです。
例えば掃除が好きという人は、ハウスクリーニングのフランチャイズがありますし、リサイクル製品が好きでよく行くという人は買取のフランチャイズの説明会に行ってみましょう。
「でも、私は今までサラリーマンをやっていて、仕事以外とくに趣味も興味もない」
という人も、好きな食べ物はありますよね?例えば仕事帰りの牛丼は好きだったんじゃないですか?ラーメンは好きなのではないでしょうか?
実は興味のある事は誰にだってあるのです。「好きこそものの上手なれ」という言葉にもあるとおり、自分が没頭できるフランチャイズに加盟するのが一番なのです。
②フランチャイズのデメリットが少ないフランチャイズに加盟する
フランチャイズのデメリットとは、
(1)加盟金・契約金
(2)ロイヤリティー
(3)屋号や店舗づくりに制限がある
など、コストがかかる事です。このことが世間で言われている、「フランチャイズのネガティブ」なイメージを作っているのです。ですが、先に紹介した横浜家系ラーメンのように、加盟金やロイヤリティーが0円だったり、少ないフランチャイズがあります。
また独立する以上、最悪の事態を想定した方が、精神的負担も少ないです。そういう意味でも、加盟金やロイヤリティーが0円あるいは、少ないフランチャイズを選びましょう。
また、店舗運営の自由度の制限があることです。これもフランチャイズの大きなデメリットですが、実は店舗運営に関しては屋号から自由にしていいフランチャイズがあるのです。
なぜ自由にできるかというと、先ほどの家系ラーメンの例で説明しますと、その理由が本部の本音としては「材料費にもうけをのせているから」といったところでしょうが、結局のところ、仕入れがあるビジネスは、材料費が必ず発生するので、フランチャイズ加盟店にとってはそこまでデメリットではございません。
つまり(1)~(3)すべてに当てはまるのが、横浜家系ラーメンのフランチャイズです。
③一定の需要が見込めること
①に好きなビジネスを選ぶこと、といいましたが、しかし選んだビジネスに需要がないのであれば、厳しいです。ですから時代が変わっても、この先も一定以上の需要が見込めるビジネスにすれば、成功する確率はあがります。
先ほどのラーメンという需要は、もはや定番であり一定数以上の需要が見込めます。そして介護なども、この先需要が増えてくるのは確実です。
逆にコンビニやマッサージ店などのフランチャイズは、もはや供給過多で、上昇トレンドが見込める業界ではありません。立地次第ということがいえます。
つまりこういった大きな予測は専門家でなくとも、毎日ニュースを見ているくらいの知識で予測をつけることが可能なのです。
まとめ
基本、上記の①~③を押さえたフランチャイズであれば、失敗する可能性は極めて低いと思いますが、ラーメン以外の業態でも、本日の3つのポイントを押さえるフランチャイズを探しましょう。